以前、車中泊の旅行保険の記事で少し触れた「個人賠償責任特約の重複」について、今回はじっくり掘り下げます。
「うちは自転車保険に入っていないから、何かあったら心配……」
そう思っている方も、実はすでに個人賠償責任の補償が付いているかもしれません。
我が家も調べてみたところ、個人賠償責任特約が複数の保険に付いていました。
今回は、60代になって保険を見直した我が家の実体験をもとに、個人賠償責任特約の重複について整理してみます。
そもそも個人賠償責任特約って?
個人賠償責任特約は、単体の保険として加入するのではなく、自動車保険・火災保険・傷害保険・共済などに特約として付ける補償です。
日常生活で、他人にケガをさせたり、物を壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合などに備えるものです。
たとえば、
- 自転車で人にぶつかってケガをさせてしまった
- 子どもが他人の物を壊してしまった
- 飼っているペットが人に噛みついてしまった
- ベランダから植木鉢を落として、通行人に当たってしまった
など。
こうした「まさか」の事故に備えるための補償です。
また、契約内容によっては、本人だけでなく、同居の家族や、生計を共にする別居の未婚の子どもなどが補償の対象になる場合があります。
そのため、家族の誰かがすでに加入している場合は、別の保険に同じ特約を付ける必要がないケースもあります。
気づかぬうちに払っている「重複」
個人賠償責任特約は、保険料が比較的安いこともあり、自動車保険、火災保険、傷害保険、共済などに、それぞれ付いていることがあります。
我が家も、まさかこんなに重複しているとは思っていませんでした。
1つだけなら、家族の「もしも」に備える便利な補償です。
でも、同じような補償を3つも4つも付けているとしたら、一度確認してみる価値があります。
特に60代になると、子どもの独立などで家族構成も変わってきます。
昔加入した保険をそのまま更新している方は、個人賠償責任特約が重複していないか、一度チェックしてみるのがおすすめです。
なぜ「1億円」の補償を残したのか
「個人賠償責任特約って、そんなに大きな補償が必要なの?」
と思うかもしれません。
でも、自転車事故などでは、高額な損害賠償が発生するケースがあります。
たとえば、自転車事故で相手に重い後遺障害が残り、高額な賠償が命じられた事例もあります。
だからこそ、個人賠償責任特約を見直すときは、保険料だけでなく補償限度額もしっかり確認しておきたいところです。
我が家では、複数の保険についている個人賠償責任特約を確認した結果、補償額が最も大きい1億円のものを1つ残し、その他の特約は外しました。
ただし、補償額だけで決めるのではなく、補償される範囲や示談交渉サービスの有無など、契約内容を確認したうえで整理することが大切です。
重複していても、保険金が単純に増えるわけではない
「複数の個人賠償責任特約に入っていれば、その分だけ補償額も増えるのでは?」と思うかもしれません。
でも、そう単純ではありません。
個人賠償責任補償は、基本的に実際に発生した損害を補償するものなので、複数の契約があったとしても、実際の損害額を超えて保険金を受け取ることはできません。
たとえば、損害額が1億円で、1億円を限度とする個人賠償責任特約が2件あったとしても、2億円を受け取れるわけではありません。
一方で、損害額が1億5,000万円で、1件の補償限度額が1億円だった場合などは、契約内容に応じて、他の保険から残りの損害額について補償を受けられる場合があります。
つまり、
「重複していれば、その分だけ得をする」という仕組みではない
ということです。
だからこそ、複数の保険に同じ特約が付いているなら、それぞれの補償内容を確認して、本当に必要なのかを考えてみることが大切です
見直すときは、いきなり解約しない
複数の特約に気づいて「これはいらない」と思っても、いきなり解約するのはちょっと待ってください。
新しく保険に加入したり、特約を追加したりするときは、現在加入している保険や補償内容について、申込時に確認・申告が必要になる場合があります。
また、保険によって補償される範囲や条件も異なります。
まずは、
「どの保険に、どんな個人賠償責任特約が付いているのか」
を一覧にして確認してみましょう。
そのうえで、必要な補償を残し、重複しているものを整理するのがおすすめです。
保険まわりの見直しについては、以前、保険の見直し|60代は何をチェックすべき?でも取り上げています。
こちらもあわせてチェックしてみてください。
リタイヤ世代こそ、見直すタイミング
現役の子育て世代なら、「家族全員分の備え」として個人賠償責任特約を付けていることも多いと思います。
でも、子どもが独立すると、保険の必要性も変わってきます。
特に、生計を共にする別居の未婚の子どもが補償対象になっている契約では、子どもの独立や結婚によって補償対象から外れる場合があります。
家族の人数や生活スタイルが変わっているのに、保険だけは昔のまま。
そんな状態になっていないでしょうか?
60代になったら、保険についても一度「今の我が家」に合わせて整理してみるのがおすすめです。
個人賠償責任特約についても、昔から付けっぱなしになっているものがないか確認してみましょう。
まとめ|個人賠償責任特約は一度チェックしてみよう
今回、我が家で確認してみて分かったのは、「保険に入っている=必要な補償が1つだけ付いている」とは限らないということでした。
個人賠償責任特約について、確認しておきたいポイントをまとめます。
- 個人賠償責任特約は単体では入れず、他の保険やクレカにくっついている
- 家族全員(別居の未婚の子どもも)が対象になる、コスパの良い補償
- 高額賠償の判例(9,500万円)もあり、補償額は1億円以上が目安
- ただし重複しやすく、気づかぬうちに払いすぎているケースも多い
- 重複していても基本は「合計額」ではなく「上限額まで」。
ただし超過分は複数からカバーされることもある - 見直す際は、告知義務を忘れずに
- 子どもの独立・結婚で家族構成が変わったら、見直しのタイミング
一度、ご自身の自動車保険・火災保険・家財保険・クレジットカードの契約内容を確認してみてください。
「え、ここにも付いてた」という発見があるかもしれません。
また、火災保険にも似たような ”知らないと損する" 落とし穴があります。火災保険は"眠ったまま"かも?もあわせてご覧ください。